1975年8月12日、アメリカ・マサチューセッツ州生まれ。10代からテレビに出演し、『誘う女』(95/ガス・ヴァン・サント監督)で映画デビュー。2007年には兄ベン・アフレックの初監督作『ゴーン・ベイビー・ゴーン』で主演を務めた。そのほかおもな出演作に、『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(97/ガス・ヴァン・サント監督)、『オーシャンズ11』(01/スティーヴン・ソダーバーグ監督)、共演のマット・デイモンと共に脚本も手がけた『GERRY ジェリー』(02/ガス・ヴァン・サント監督)、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた『ジェシー・ジェームズの暗殺』(07/アンドリュー・ドミニク監督)、『キラー・インサイド・ミー』(10/マイケル・ウィンターボトム監督)、『セインツ―約束の果て―』(13/デヴィッド・ロウリー監督)、『インターステラー』(14/クリストファー・ノーラン監督)などがある。近作に、『セインツ―約束の果て―』に続いてデヴィッド・ロウリー監督、ルーニー・マーラと再タッグを組んだ「A Ghost Story」(17)。本作で第89回アカデミー賞主演男優賞を初受賞した。 2014年、ジョン・パワーズ・ミドルトンと共に、さまざまなジャンルの映画・TV作品に企画から携わる製作会社「アフレック/ミドルトン・プロジェクト」を設立。監督としても活躍し、『容疑者、ホアキン・フェニックス』(10)では監督・脚本・製作・撮影も手がけた。2002年、ケネス・ロナーガンの舞台「This is our youth(これが僕らの青春)」でもマット・デイモンと共演した。

 

 

 

 

——あなたが演じたリー・チャンドラーについて教えてください。
「マンチェスター・バイ・ザ・シーという町が舞台で、僕が演じるリーの現在と過去が交差して物語が進んでいくんだ。ミシェル・ウィリアムズ演じる女性が元妻で、とても悲惨な事故が起きるんだけど、その事故の責任は僕にあると、僕も一部の人も思ってる。結果的に妻とは別れ、町を出ることになってしまう。その後、兄が亡くなり、ルーカス・ヘッジズ演じる甥のため町に戻るんだけど、本当はもうここには二度と戻りたくなかった。多くの住民は、僕が悪い男で事故を引き起こした張本人だと信じてるからだ。ただ、なかなか笑える映画でもあるよ」
——リーを演じてみての感想は?
「最高だったよ。難しい場面や深刻な場面を撮影する日が多くて、1日の大半をセットで過ごす日々が延々続いたけど、ルーカス·ヘッジズたちと会話を楽しんだよ。共演したシーンにはとてもおもしろいシーンもあった。一見冗談っぽくないけど、大げさで馬鹿げたことよりおもしろくて、もっともらしいと感じた。僕が好きなタイプの“笑い”だった」
——もともとの物語の構想はマット・デイモンによるもので、ケネス・ロナーガン監督が引き継いだそうですね。
「構想にはマット以外にも関わっている人がいたと思いますが、マットがケネスに脚本を依頼したのは賢い選択だよね。ケネスは最高の脚本家の一人だから。物語の“種”を元にして、とても素晴らしい物語を作り上げた」
——ケネスはどうやって彼自身は知らない町の地元感を出したんでしょうか?
「そう、彼はマンチェスター・バイ・ザ・シーに行ったことがなかったと思う。彼の『ユー・キャン・カウント・オン・ミー』や『マーガレット』はニューヨークが舞台だ。ほかにも彼は南部のどこかの町を舞台にした、劇の脚本を書いたこともある。彼の脚本はまるで地元で育った人が書いたとしか思えないものだ。耳がいいだけでなく、たぶん万人に通じる話し方に精通してるのだと思う。地域特有のアクセントやスラング、口調なんかは身につけることが可能だけど、脚本で重要なことは、物語の内容や登場人物たちの描写の仕方。彼の脚本は魔法みたいだよ。登場人物はみな複雑で、本物の人間みたいだ」
——この役を演じるために、どんな準備をしましたか? 土地の下見をしたりとか。
「例えば自分の弱点を徹底的に考えたり、演じるにあたっての準備はいろいろある。もし僕がアマゾンで10年暮らした人を演じるなら、アマゾンで生き延びる方法を考えるために現地へ行くだろう。だけど今回は、マンチェスター・バイ・ザ・シーという町に行ったこともあるし、言葉や暮らしも知っていた。何より今回は、物語や場面、登場人物の関連性に矛盾点がまったくない、素晴らしい脚本があったから、迷わずに信頼して進めばいいと分かってました。だから僕がすべきことは、セットに現れて正しい感情を表現するのみだった。例えば僕が兄の遺体と対面する場面なら、身元確認をしてお別れをする。言うまでもなく楽しい気分でセットに現れたりなんかしないよ。本当にうろたえているように演じただけだけど、一つのことだけに集中すればよかったので僕にとっては楽でした。ケネスも共演者たちも素晴らしかったので、ただ、登場人物の感情を意識するだけでよかったんだよ」